MENU

友達を追加

ID:@356qujoi

公開日  更新日

そのままだと危険!筋肉量減少が招く悪循環と健康リスク

年齢を重ねるごとに、階段の昇り降りがつらくなったり、重い物を持つのが大変になったと感じることはありませんか?

これらは筋肉の衰えによって起きる、ごく自然な変化です。しかし、そのまま放っておくと、見た目の変化だけでなく、健康や生活の質にまで大きな影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、筋肉が衰えることで私たちの身体にどのような変化が起こるのかを解説するとともに、筋肉を維持・向上させるための大切なポイントをお伝えします。

是非最後までご覧ください。

筋肉が衰えると起きる身体への影響

運動不足や加齢によって筋肉の衰えを感じることは、多くの方が経験する問題の一つです。若いころには特に意識せずとも軽々とできていた動作が難しくなったり、日常生活のちょっとした場面で力が出にくくなったりすることで、改めて筋肉の重要性を感じることがあるでしょう。

筋肉を鍛えることには数多くのメリットがあります。まず見た目の良さに関しては、適度な筋肉があることによって体型が引き締まり、姿勢が良くなるため、外見の印象が良くなるという効果があります。また、筋肉が多い人は日常的により大きな力を容易に発揮できるだけでなく、体力がつき、疲れにくくなるため、日々の活動がより楽に感じられるようになります。さらに筋肉量が多いことによって基礎代謝が向上し、同じ量の食事をしても脂肪がつきにくく太りにくい身体を作ることが可能になります。このように筋肉が多いということは、健康面だけでなく日常生活の質を向上させる意味でも非常に重要です。

一般的に「筋肉」というと、肉の塊というようなイメージを持たれることがありますが、その実態はタンパク質と水分を主成分とする細胞の集合体です。具体的に、私たちが「筋肉」として意識しやすいのは主に「骨格筋」という種類であり、これらは骨に直接または腱を介して付着しています。腕や脚を動かしたり、重たい物を持ち上げたりする際に力を発揮するのがこの骨格筋です。また、お腹に力を入れた時に表面にくっきりと割れて見える腹筋も、この骨格筋の一種です。骨格筋の主な働きは関節を動かし、身体の姿勢を維持することにあります。

一方で、心臓を動かしている筋肉は「心筋」と呼ばれ、私たちの意識とは関係なく常に一定のリズムで収縮し、血液を全身に送り続けています。さらに内臓を動かすための筋肉である「平滑筋」もまた意識とは無関係に働き、胃や腸など内臓の運動や消化活動を支えています。このように自分で動きをコントロールできる「随意筋」である骨格筋に対して、心筋や平滑筋は「不随意筋」と呼ばれます。

筋肉の衰えを感じるということは、主にこの骨格筋が弱まることを意味します。骨格筋が弱まると、力を十分に発揮できなくなるばかりか、骨や関節を支える力も低下して姿勢が崩れたり、動作がぎこちなくなったりします。また広い視点で捉えると、運動をしてすぐに息切れを感じたり、激しい動きについていけなくなったりするのは、心筋の衰えによって心臓の働きや血液循環機能が低下している可能性があります。さらに加齢や運動不足で内臓筋が衰えると、腸の蠕動運動が弱まり、便秘といった消化器系のトラブルを引き起こすこともあります。

筋肉を構成する筋繊維には大きく分けて、「速筋」と「遅筋」があります。速筋は瞬間的に大きな力を発揮する筋肉で、疲労しやすいですが強いパワーを生み出します。一方で遅筋は瞬発力こそ劣りますが、持久的な運動に優れ、長時間動き続けても疲れにくい性質を持っています。速筋が白色である理由は、酸素を運搬するタンパク質であるミオグロビンが少ないためで、瞬発的なエネルギーを素早く作り出す能力に優れています。逆に遅筋は赤色をしており、これは酸素を蓄えたり運搬したりするミオグロビンが豊富で、エネルギーをゆっくりと効率的に作り続けることができるからです。具体的には、短距離走やウエイトリフティングのような一瞬で大きな力を発揮する運動は速筋が中心的な役割を担い、マラソンや自転車ロードレースのように長時間にわたり一定の動きを続ける競技では遅筋が活躍します。また、サッカーやバスケットボールのような競技では瞬発力と持久力の両方が求められるため、速筋と遅筋がバランス良く発達する必要があります。

多くの方が「筋肉が衰えた」と実感するのは特にこの速筋が弱くなった場合です。若い頃なら軽々と持ち上げられた重い荷物が持ち上げられなくなったり、素早い動作が苦手になったりするのは速筋の衰えが主な原因です。これは日常生活で瞬間的な大きな力を発揮する機会が減り、速筋が使われにくくなり筋繊維が細くなってしまった結果といえます。そのため、筋力トレーニングではあえて重い負荷をかけることで速筋繊維を刺激し、筋肥大を促進します。一般的に10回前後の回数で行うトレーニングが筋肥大を促すとされるのは、速筋繊維が比較的高負荷かつ少ない回数の運動で最も効果的に成長するためです。

ただし、筋力や身体能力は筋肉量だけで完全に決まるものではありません。筋肉が増えても関節や腱、靭帯などの結合組織が弱ければパワーを効率よく発揮できません。また、筋肉を動かすための神経系の反応速度や調整能力、動きをコントロールする脳の運動指令能力なども総合的に絡み合って初めて最大のパフォーマンスを発揮できるようになります。そのため、筋力トレーニングを継続的に行うことは単に筋肉を大きくするだけではなく、神経や関節など身体全体の機能を高めることにも繋がるのです。

筋肉量と体水分量の重要な関係

筋肉量が多いと痩せやすく太りにくいという話は、多くの方が耳にしたことがあるでしょう。これは筋肉量が増えることで基礎代謝が上昇するためです。基礎代謝とは、一日中何もしていなくても身体が生命維持に必要なエネルギー量のことで、脳、心臓、肝臓などの臓器が働くためのエネルギー消費に加えて、筋肉によるエネルギー消費が含まれます。

具体的には、筋肉量が増えると、日常的に使われるエネルギー量が増加し、食事から摂取したカロリーが脂肪として蓄えられる前に燃焼されやすくなります。そのため、同じ量の食事をしても、筋肉量が多い人の方が脂肪がつきにくくなります。一方で、筋肉量が減少すると基礎代謝が低下し、消費されなかった余分なカロリーが脂肪として蓄積されやすくなるため、結果的に太りやすくなります。

よく「筋肉が脂肪に変わった」という表現を聞きますが、これは正確には誤解です。実際には筋肉組織が脂肪組織に直接変化することはなく、筋肉量が減少した結果、相対的に脂肪の割合が増えてしまうため、体型が緩んだように感じられるのです。

また、筋肉組織には水分が多く含まれていますが、脂肪組織は主に脂質から構成されており、水分はほとんど含まれていません。身体全体で見た時、筋肉量が多ければ多いほど、体内に保持される水分量が多くなり、身体の機能維持や体調管理に役立ちます。反対に筋肉量が少ないと、体内の水分貯蔵能力が低下し、身体が水分不足になりやすい状態となります。

体内の水分は、単に身体を潤すだけでなく、生命維持に欠かせない重要な役割を果たしています。具体的には、発汗による体温調節、血液循環の維持、水分中に溶けているミネラルが筋肉の収縮や神経伝達を助けるなど、健康維持に直結するさまざまな働きを担っています。

梅雨から夏にかけては、気温が高くなる日が増える一方、湿度が高くて汗が蒸発しにくいため、体温調節が難しくなります。このため、熱中症になるリスクが増加します。特に高齢者は加齢に伴う筋肉量の減少によって体内の水分量が減り、発汗能力も低下します。つまり、体温を適切に下げるための汗がかきにくくなり、体内の熱を外に逃がすことが難しくなるのです。

さらに汗をかきにくい状態になると、「汗をかいている」という自覚が少なくなります。その結果、水分を補給するタイミングを逃しがちになり、慢性的な脱水状態を引き起こしてしまう危険性があります。高齢者だけでなく、若い方でも筋肉量が低下した場合には同様のリスクが生じる可能性があり、筋肉量の維持・向上は熱中症予防にも非常に重要です。

身体動作と脳・筋肉のコミュニケーション

身体を動かすということは、単に筋肉が動いているだけではなく、筋肉と脳が複雑なコミュニケーションを行うことで実現しています。動作を行う際には、脳からの指令が神経を通じて筋肉に伝えられ、筋肉が適切な反応を起こします。

ペットボトルのキャップを開けるという日常的な動作を考えてみましょう。

ペットボトルを開けるためには、まず片方の手でボトル本体をしっかりと固定し、もう一方の手でキャップを掴みます。このとき、指がキャップに触れた瞬間に、皮膚からの触覚情報が脳へ送られます。脳はその情報を瞬時に処理し、どの程度の力を加えればキャップが滑らず、またしっかりと開くことができるのかを判断します。

もし指先が滑りやすいと感じられれば、脳は握り方を微調整するよう指示を出します。また、キャップが固くて回しにくい場合、脳は筋肉へより強い力を発揮するよう指示を送ります。この一連の微調整は、脳と筋肉が絶え間なく情報を交換し、協調して行動を実現しているのです。

脳はこのような動作を繰り返すことで、徐々にどのような力加減が最適かという情報を学習し、記憶します。これが「いつもの感覚」として蓄積され、以降の同じ動作では脳が事前にインプットされた記憶を参照し、効率よく筋肉の動員や収縮を調整します。

しかし、身体を動かさない状態が続くと、この脳と筋肉間のコミュニケーション機能が衰えてしまいます。脳は運動に関わる刺激が不足することで、筋肉への指示が的確に行われなくなり、結果として動作がぎこちなくなったり、力の調整がうまくできなくなったりします。つまり、身体を動かさないことは、筋肉だけでなく脳の運動制御能力にも悪影響を及ぼすのです。

そのため、筋力トレーニングが非常に有効となります。例えば、1kgの重さを持ち上げる場合と10kgの重さを持ち上げる場合を比較してみましょう。見た目から重さを予想することは可能ですが、実際に持ち上げてみると想定よりも重かったり軽かったりと感じることがあります。この感覚の差を感知し、それに応じて筋肉の収縮具合や力の入れ方を調整するという作業は、脳にとって良質な刺激となります。

さらに、筋力トレーニングを正しく行うためには、身体の各部分を意識的に使い分けることが求められます。特定の関節をどのように動かし、また、他の関節や身体の部分をどのように安定させるかを正確に把握し、コントロールしなければなりません。例えば、スクワットをする際には膝や股関節を動かしつつも、背中の位置や足の裏の圧力を一定に保つよう意識します。このように複数の筋肉や関節を協調させる動作は、脳と筋肉の協調性を鍛える上で非常に有効なのです。

つまり、筋力トレーニングは筋肉そのものを鍛えるだけではなく、脳の神経系を刺激し、運動制御能力や身体の認識能力を高める効果もあります。日頃から意識的に筋力トレーニングを取り入れることは、健康的な身体機能維持だけでなく、脳の機能維持にも大きく貢献すると言えるでしょう。

筋肉量減少と高血糖が招く悪循環

メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防には、筋肉量や日常的な運動習慣が深く関わっています。その中でも特に糖尿病は、筋肉の有無や運動の有無が大きく影響する病気の一つとして知られています。

筋肉は筋繊維が伸びたり縮んだりすることで身体を動かしています。その筋肉の活動には、食事から摂取した糖(グルコース)や体内に蓄積されているグリコーゲンが主なエネルギー源として利用されます。つまり、筋肉が一定の量を維持して活動的であればあるほど、血中の糖がエネルギーとして効率よく利用され、血糖値が安定しやすくなります。反対に筋肉量が減少したり、運動量が低下したりすると、糖の利用量が減ってしまい、その結果、血液中の糖分(血糖)が高くなり、糖尿病のリスクが高まります。

また、最近の研究では、逆に血糖値が高い状態が続くこと自体が筋肉の減少を引き起こすことも報告されています。これは血糖値が高いことによって特定のタンパク質が活性化され、そのタンパク質が筋肉の分解を促進してしまうことが原因だと考えられています。現在のところ、この筋肉の減少を直接的に抑える治療薬はまだ開発されていませんが、このタンパク質の働きを抑制する薬剤の開発が精力的に進められています。

このように特別な治療薬がない状況では、自らの生活習慣を工夫し、筋肉の減少を防ぐことが重要となります。筋肉が減少すると糖を取り込んでエネルギーとして活用する能力が低下し、血糖値がさらに上昇する悪循環を生み出します。また、糖が利用できなくなった身体はエネルギーを確保するために筋肉をさらに分解し、筋肉量の減少を加速させてしまいます。

特に高齢者の場合、この悪循環が顕著に現れます。糖尿病があると筋肉量が急激に減少し、身体活動量がさらに低下してしまいます。その結果、身体活動の低下がさらに病気を誘発する可能性を高め、健康状態を大きく悪化させるリスクがあります。加齢に伴う筋肉量の減少は「サルコペニア」と呼ばれ、これは単に筋肉が衰えるだけでなく、生活の質を著しく低下させる原因となるのです。

一方で、日常的に適度な筋力トレーニングや有酸素運動を継続的に行うことで、筋肉量を維持・増加させることができます。これにより、糖尿病だけでなく、高血圧、脂質異常症、心疾患、さらには認知症などの予防にも効果的であるとされます。トレーニングや有酸素運動を習慣化することで筋肉の減少を防ぎ、健康的な身体を維持することが可能となります。

筋肉量を維持することは見た目や体力の問題だけでなく、多くの病気を予防し、健康で自立した生活を長く続けるための重要なポイントなのです。

まとめ

筋肉は、見た目の若々しさや日常動作の快適さを支えるだけでなく、体内の水分保持や血糖値の安定、さらには脳との連携まで担う、非常に重要な存在です。

筋肉量の低下は、加齢とともに避けがたいものですが、日々の運動や食生活の工夫によって十分に予防・改善が可能です。

健康的で自立した生活を末長く送るためにも、今から「筋肉と向き合う生活」を始めてみましょう。

TRANSCENDでは、一人ひとりの状況に合わせて適したメニューを組んでいます。

通う頻度についても月2回、月4回、月8回の3つのプランから選択できるので、お気軽にご相談ください。

豊橋市のパーソナルジム「TRANSCEND」