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「痩せすぎ」が美しい時代はもう終わり!今こそ見直す「健康美」の価値観

近年、SNSやメディアの影響もあり、特に若い女性の間で「痩せていること=美しい」という価値観が当たり前のように広がっています。

細身のモデル体型やスタイルの良さが称賛される一方で、「痩せすぎ」がもたらす身体への悪影響については、十分に語られる機会がありません。


この記事では、「ただ痩せていることが本当に健康で美しいのか?」という問いに焦点をあて、痩せすぎが引き起こす身体的・心理的リスク、そして本当の健康美とは何かを考えていきます。

是非最後までご覧ください。

若い女性の「痩せすぎ」に対する警鐘

日本肥満学会が「若年層の女性に痩せすぎが目立つ」という趣旨の警鐘を発表したことが、各種のニュース番組や情報番組で取り上げられました。その中で、とある番組のコメンテーターが「本来は肥満や過体重のリスクについて啓発活動を行っている学会から、逆に“痩せすぎ”という問題提起がなされたということは、現代社会における『痩せていることが美しい』という風潮や、過剰なまでに体型を気にする傾向が強くなりすぎている現れなのではないか」といった趣旨のコメントをされていたのが印象的でした。

確かに、現代の日本社会においては「痩せすぎ」による健康への影響やリスクについて、十分に考える機会が与えられていない、あるいは情報が行き届いていないと感じることが少なくありません。「痩せること」や「体脂肪を減らすこと」が、無条件に健康的で美しいといった認識をもって受け入れられており、その反面で、痩せすぎがもたらす身体的・精神的リスクについてはあまり語られない傾向があります。

たとえば、書店に並ぶ健康や美容に関する書籍、テレビ番組、インターネット上の記事、SNSなどの多くでは、「ダイエット方法」「体脂肪を減らすトレーニング」「低カロリー・低糖質のレシピ」など、いかに痩せるか、体重を落とすかに焦点を当てた情報が非常に多くを占めています。一方で、「痩せすぎの人が健康的に体重を増やす方法」「低体重による月経異常や骨粗しょう症を防ぐ食事」など、体重を適切な範囲に戻すための情報は、極めて限られていると言わざるを得ません。

その背景には、日本社会における食生活の変化や生活環境の変化があります。戦後の高度経済成長期を経て、日本は「飢え」や「栄養不足」に悩むことが非常に少ない国となりました。むしろ近年では、食生活の欧米化が進み、高カロリー・高脂質の食品が日常的に手に入りやすくなったことで、過体重や肥満に悩む人が増えています。また、デスクワークやスマートフォンの普及などによって身体活動量が減少し、消費カロリーが少なくなったことも、肥満を助長する要因となっています。

これらの現象は、生活習慣病の増加という形で社会問題となっており、糖尿病、高血圧、脂質異常症など、体脂肪の蓄積に関連した病気のリスクが強く意識されるようになりました。こうした背景から一般的には「太りすぎは危険」「ダイエットが必要」といった考え方が広く浸透し、「痩せること」への需要や関心のほうが圧倒的に多くなっているのが実情です。

しかしその一方で、特に若い女性の間では、「モデル体型」や「細さこそ美しさ」といった価値観が根強く残っており、過度な食事制限や極端な運動によって、標準体重を大きく下回る状態を維持してしまうケースも増えています。その結果、無月経、骨密度の低下、貧血、免疫力の低下、心身の不調など、健康面でのさまざまな悪影響が生じているにもかかわらず、本人が「自分は痩せていることで問題がある」と認識することが難しい状況も見受けられます。

今後は、「肥満」だけでなく「痩せすぎ」もまた健康リスクの一つであるという認識を社会全体で持ち、健康的な体重の基準を再考することが必要だと思われます。痩せすぎている人が、無理なく安全に、そして継続的に適正体重へと近づけるための支援や情報提供が、今後ますます重要になるでしょう。

BMIを活用して健康的な身体づくりを

私たちは誰でも、「自分にとって理想的な体型や体重」をなんとなく持っているものです。しかし、その理想が本当に自分の身体に合っているのかは、客観的な数値で確認することが大切です。その指標の一つが「BMI(Body Mass Index)」と呼ばれる体格指数です。

BMIは、体重を身長の2乗で割って求めます。この数値を見ることで、自分の身長に対して体重が多すぎるのか、少なすぎるのかを判断できます。日本肥満学会では、BMI22が最も病気にかかりにくい理想の数値とされており、これをもとに「標準体重」は身長× 身長 × 22で計算されます。

成人の場合、BMIが18.5以上25未満であれば「適正体重」とされ、18.5未満は痩せすぎ、25以上は肥満、35以上は高度肥満に分類されます。ただし、70歳以上の高齢者では、筋力や体力の低下を防ぐため、BMIの下限を21.5とすることが推奨されています。

現在では、BMIはインターネットやスマートフォンの健康アプリなどで簡単に計算でき、小学生や中高生でも自分の体格を数値で確認できる時代になりました。昔は、見た目や周囲との比較で「太っている」「痩せている」と判断していたことが多かったですが、今では数値をもとに冷静に判断できるようになっています。

こうした健康の知識を若いうちから身につけることで、「もっと身体を動かそう」「栄養バランスの良い食事をしよう」といった前向きな行動にもつながります。また、ボクシングや柔道など体重で階級が決まるスポーツをしている人にとっては、体重管理のためにBMIは特に大切な指標となります。

このように、BMIは自分の身体の状態を知るための基本的で大切なツールです。年齢やライフスタイルに応じて、自分にとっての適正体重を理解し、健康的な身体づくりに役立てていきましょう。

BMIが全てではない!大切なのは筋肉量と体脂肪量のバランス

「もう少し痩せたい」「ウエストを引き締めたい」「筋肉をつけたい」など、身体に対するイメージや希望は人それぞれです。しかし、そうした“理想”と、今現在の“現実”の体型との間には、意外なギャップが存在することが少なくありません。

ある健康情報番組で、そのギャップを視覚的に確かめるための興味深いテストが行われていました。参加者には、複数の異なる体型のシルエットイラストが提示され、「今の自分に最も近い体型はどれですか?」という質問と、「理想とする体型はどれですか?」という質問が投げかけられました。その後、実際の身長と体重から算出されたBMIを基に、参加者の体格がどのシルエットに最も近いかを判定したところ、多くの人が自分の体型を実際より太く、あるいは細く認識していることが明らかになったのです。

たとえば、女性に多く見られたのは、自分では「やや太め」と感じていても、実際にはBMI上で適正、あるいはそれ以下の体型であるにもかかわらず、今の自分を太めのシルエットとして選び、理想としてさらに細い体型を望むという傾向です。このケースでは、本人が思っているよりも実際には細身であるにもかかわらず、自己評価としては「もっと痩せなければ」と感じているわけです。

一方で、男性や、最近体重が増えてきたと自覚している人たちの中には、自分の体型を実際よりも細めに認識している傾向がありました。これは「太っていると思われたくない」「まだ大丈夫だと思いたい」といった気持ちが働くためで、理想に近い姿を無意識のうちに選んでしまうのかもしれません。

このような結果からも分かるように、私たちは常に「痩せていたい」「太っていたくない」という感情を心のどこかに持っており、その願望が自己評価に少なからず影響を与えています。

ただし、体型を判断するうえでは、単に身長と体重だけでは不十分であるという点も忘れてはなりません。実際の見た目は、筋肉や脂肪が身体のどの部位についているか、骨格の大きさ、肩幅、手足の長さなどにも大きく左右されます。また、そのとき周囲にいる人と比較して自分の体型を判断してしまうこともあるため、状況や気分によっても見方が変わるのが人間です。

さらに、BMIが「適正範囲内」「低体重」「肥満」といった数値で分類されたとしても、その人の体組成(筋肉量と体脂肪量のバランス)によっては、実際の体型や健康状態はまったく異なるものになります。

たとえば、BMIが25を超えて「肥満」に分類されていても、筋肉量が多く体脂肪量が少ない人であれば、見た目は引き締まった筋肉質の体型であり、むしろ健康的です。逆に、BMIが18.5を下回るような「低体重」にあたる人でも、筋肉量が少なく体脂肪量が多い場合は、「隠れ肥満」と呼ばれる不健康な状態である可能性もあります。

このように、BMIという数値だけで健康状態や体型を判断するのではなく、筋肉量や体脂肪量のバランス、つまり体組成を合わせて見ることがとても大切です。体組成は、体組成計などを使って簡単に測定できるようになっており、筋肉量や体脂肪量の目安を知ることで、より具体的に自分の身体の状態を把握できます。

理想と現実のギャップに気づくことは、単に自分を否定するためではなく、今の身体を客観的に知り、どうすればより健康的な身体づくりができるかを考えるきっかけになります。体重にとらわれすぎず、健康的な生活習慣、適度な運動、食事バランスを大切にしながら、自分らしい身体を目指していくことが、長期的な健康と満足感につながるのです。

栄養不足が招く「痩せすぎ女子」の健康リスク

近年、「痩せている=美しい」という価値観が社会全体に広がり、特に若い女性の間で細身であることへの強いこだわりが見られるようになっています。確かにファッションやメディアではスリムな体型がもてはやされることも少なくありません。しかし、極端に痩せている状態が長く続くことは、健康面で大きなリスクを伴うということが、さまざまな調査研究から明らかになってきています。

ある医療系大学が行った調査では、20~39歳の女性職員のうち、BMIが17.5未満の約40名を対象に栄養状態の評価が行われました。その結果、総コレステロールやリンパ球数の低下が確認されるなど、決して良好とはいえない栄養状態が明らかになりました。総コレステロールやリンパ球数の減少は、免疫機能の低下を意味するものであり、身体の防御力が弱まり、感染症にかかりやすくなるリスクを高めます。

外見からは「細くて華奢」「か弱くて風邪を引きやすそう」といった印象を受けることもありますが、実際にはその印象通り、ウイルスや細菌に対しての抵抗力が低くなっている可能性があるのです。

さらに、この調査でビタミンD、ビタミンB12、葉酸といった重要な栄養素の血中濃度が低いことも分かりました。これらの栄養素は、骨の健康、造血機能、妊娠、出産におけるリスク管理など、身体のさまざまな機能を維持するために欠かせないものであり、これらが不足することで、将来的に骨折のリスクが高まったり、骨粗鬆症を発症したり、不妊や低体重児の出産リスクが増す可能性があると、調査を担当した教授は指摘しています。

加えて、食事内容の分析では、調査対象の女性の約9割が糖質、たんぱく質、鉄分、カルシウムといった基本的な栄養素の摂取量が不足していたという結果が出ており、単なる“体重の軽さ”を目指すあまり、栄養バランスの取れた食生活がないがしろにされている現状が浮き彫りになりました。

こうした背景には、10代から20代の若年層における体型への強いこだわりがあると考えられています。実際に若い女性たちからは、

「見た目が自分の自信になるから痩せていた方が良い」

「SNSなどで細い人を見る機会が多く、自然と比べてしまう」

「好きな服を着るときに体型を気にしたくないから、細くいたい」

といった声が多く聞かれており、他人の目や比較文化、SNSによる影響が強く反映されていることがわかります。

日本肥満学会の発表によると、この30年の間に日本人女性の平均BMIは減少傾向にあり、特に20代女性を中心に、BMI18.5未満の「痩せ型」に分類される人の割合が増加しています。最新のデータでは、20代女性のうち5人に1人がBMI18.5未満となっており、これは先進国の中でも特に高い割合です。

一方で、「肥満」に関してはメタボリックシンドロームなどを通じて健康リスクへの警鐘が広く知られるようになりましたが、痩せすぎに関するリスクについてはまだ十分に社会的な認識が広がっていないのが現状です。

これからの時代は、「痩せている=美しい」という一面的な価値観にとらわれず、“健康的な身体”を維持することが真の美しさにつながるという意識が必要です。体重が軽いことを無条件に良しとするのではなく、筋肉量と体脂肪量のバランスがとれた、機能的で強く美しい身体を育てることこそが、将来の健康と自信につながるのです。

まとめ

「痩せている=美しい」という価値観は、長い間多くの人に受け入れられてきましたが、それが行き過ぎると、健康を損ない、日常生活に支障をきたすリスクさえあることが近年の調査から明らかになっています。

今、私たちに求められているのは、ただ体重を減らすことだけではなく、心身ともに健康であることを前提とした「健康美」という価値観への転換です。


BMIや体組成などの客観的な指標を参考に、自分にとっての適正な体型、体重を知り、必要な栄養と運動を通して「機能的で強く美しい身体」を目指すことが、これからの時代の「美しさ」と言えるでしょう。

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