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運動不足と運動機能の関係性と改善方法について

大人になってからほとんど運動をしていないという方も多いのではないでしょうか?

近年では運動不足による体力、運動能力の低下が問題となっています。

この記事では身体の運動機能を保つための運動などを詳しく解説していきます。

是非最後までご覧ください。

運動不足による体力、運動能力の低下

スポーツ庁より発表された「体力・運動能力調査」の結果により、日本における運動習慣の実態が明らかになりました。特に、30代・40代の女性において運動不足の傾向が顕著であることが指摘されています。

この調査は、握力や上体起こしなどの体力テストの実施に加え、運動習慣に関するアンケート調査も含まれており、2023年度は全国の6歳から79歳までの約5万9000人を対象に行われました。その結果、30代・40代の女性において、過去10年間で体力テストの合計点が低下傾向にあることが判明しました。さらに、運動やスポーツを「しない」と回答した割合が約4割にのぼり、他の世代と比較しても特に高い数値を示していることが分かりました。

この背景として、スポーツ庁は「近年、働く女性が増えており、仕事の忙しさが運動不足に影響している可能性がある」と分析しています。実際に、社会進出が進むにつれ、フルタイムで働く女性が増加し、仕事と家庭の両立を求められることが多くなりました。特に、30代・40代は子育て世代と重なることが多く、育児に追われることで自分のための時間を確保することが難しい状況にあると考えられます。その結果として、運動の優先順位が下がり、運動習慣を持つことが難しくなっているのではないかと推測されます。

また、調査によると、「週に1日以上運動をする」と回答した30代女性は約3割、40代女性では3~4割程度にとどまっており、20代から40代の女性全体で「運動をしない」と回答した割合が高くなっています。特に、35歳から39歳の女性では「運動しない」と回答した割合が4割を超えており、他の年齢層と比較しても特に高い値を示しています。

さらに、日本のフィットネス実施率は3~4%程度とされており、この数値は長年大きく変わることなく推移していることが指摘されています。これは、日本国内において運動習慣が根付いていないことを示しており、フィットネスクラブやスポーツジムの普及が進んでいるにもかかわらず、実際に運動を習慣化する人の割合は増えていないことが浮き彫りとなっています。

また、子供の体力に関するデータも調査結果に含まれており、1964年度と2023年度の10歳児のデータを比較した結果、現代の子供の方が身長は高く、体重は増加していることが分かりました。しかし、ボール投げや男子の50メートル走の記録に関しては、1964年度の方が優れているという結果が示されています。このデータから、身長や体重などの骨格・体格の変化が特定の運動能力に影響を与えている可能性が考えられます。加えて、60年前の子供たちは現代の子供よりも身体が小さかったものの、日常生活の中で自然と運動量が確保されていたため、体力が高かった可能性があるという考察もなされています。

さらに、11歳から16歳の小・中・高校生世代についても過去の体力テストと比較した結果、合計点が低下傾向にあることが確認されました。これは、新型コロナウイルスの流行による運動量の減少が影響している可能性があり、体育の授業や部活動が通常に戻った現在でも、数値が完全に回復していないという指摘がなされています。

一方で、運動生理学やスポーツ科学、トレーニング科学の発展、またスポーツ設備や環境の向上など、現代において運動を行うための条件は過去と比較して確実に良くなっています。さらに、競技スポーツにおいてはトップアスリートの記録が更新され続けていることも事実です。しかし、これらの進歩が必ずしも一般の人々の体力向上や運動習慣の確立につながっているわけではありません。

トップアスリートと一般のフィットネス愛好者、さらには運動を全くしない人々や子供たちの間には大きな格差が生じており、運動するかしないかの違いによって体力や運動能力に明確な差が生まれている現状が浮き彫りとなっています。したがって、今後は単にスポーツ環境を整えるだけでなく、運動習慣がない人々や子供たちに対して、いかにして継続的な運動の機会を提供し、運動を習慣化させるかが課題となるでしょう。

身体の運動機能を保つための運動

⒈筋力トレーニング(筋力向上)

筋力トレーニングは、主にウエイトトレーニングと呼ばれる方法で行われ、フィットネスクラブではトレーニングマシンやバーベル、ダンベルなどのフリーウエイトを使って実施されることが一般的ですが、自宅で行う場合には自分の体重を利用した自重トレーニングや、さまざまなトレーニングツールを活用することで効果的なトレーニングが可能となります。

筋力トレーニングの主な効果としては、

①筋肉を大きくする(筋肥大)

②筋肉が発揮できる力を強くする(最大筋力の向上)

③筋肉を長時間動かし続ける能力を高める(筋持久力の向上)

が挙げられます。

筋肥大とは、筋肉に負荷がかかることで筋繊維に微細な傷がつき、それを修復する過程で筋繊維がより強く・太く成長する現象のことで、この回復と成長のプロセスを「超回復」と呼び、これを繰り返すことで筋肉が肥大していきます。しかし、日常生活でかかる程度の負荷では筋肉が適応してしまっているため、新たな筋肉の成長は起こりにくく、意識的に適切な負荷をかけることで初めて筋肥大の効果を得ることができます。また、筋肉が成長するためには、十分な栄養と休息も必要であり、適切な回復期間を設けることが筋肥大のためには不可欠です。

さらに、筋肉の出せる力を大きくすることも重要で、これは同じサイズの筋肉であっても、発揮できる力が強くなることを指します。この筋力には「最大筋力」と「筋パワー」があり、最大筋力は重い物を持ち上げたりする際の粘り強い力のことを指し、筋パワーは瞬間的に大きな力を発揮する能力を指します。

また、筋肉を長時間動かし続ける能力、いわゆる筋持久力も非常に重要であり、これは長距離を歩いたり走ったりする際に筋肉が疲れにくくなる能力を指します。例えば、筋持久力が低下すると、同じ距離を歩いても以前より足が疲れやすくなったり、長時間の立ち仕事で腰に負担を感じやすくなったりと、日常生活に支障をきたす可能性が高まります。

このように、筋力トレーニングを取り入れることで、筋肉の大きさを増やし、出せる力を強くし、持久力を向上させることができ、結果的に日常生活の動作がスムーズになり、健康的な身体を維持することが可能となります。筋力トレーニングを習慣化し、身体の機能を維持し続けることが大切です。

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⒉有酸素運動(心肺持久力向上)

心肺持久力とは、長時間にわたって運動を継続できるエネルギーを生み出す能力であり、「有酸素能力」とも呼ばれるものです。これは、私たちの身体がどれだけ効率的に酸素を取り込み、それをエネルギーとして活用できるかによって決まります。身体を動かすためのエネルギー源には主に「グリコーゲン(糖質)」と「体脂肪」があり、グリコーゲンは筋肉や肝臓に蓄えられていますが、貯蔵量には限りがあり、消費し尽くしてしまうとエネルギー不足となり、運動の継続が困難になります。一方で、体脂肪は1gあたり9kcalのエネルギーを供給できるのに対し、グリコーゲン(糖質)は1gあたり4kcalしか供給できません。そのため、体脂肪を効率よくエネルギーとして活用できる能力が高いほど、長時間の運動に適応しやすくなります。

このエネルギーの供給をスムーズに行うために重要となるのが「心肺機能」です。心肺機能とは、酸素を取り込み、血液によって全身へ運搬し、細胞に届けてエネルギー産生を行う能力のことであり、運動の持続力に直結する要素です。体内には無数の毛細血管が張り巡らされており、これらが隅々まで発達しているほど、酸素やエネルギーを効率的に供給し、運動の持久力を向上させることができます。しかし、日常生活で有酸素運動をほとんど行わず、心肺機能を活用する機会が少なくなると、毛細血管の働きが低下し、酸素の供給効率も落ちてしまうといわれています。

逆に、定期的に有酸素運動を行うことで、身体は必要に応じて血流を改善し、血液が通りにくくなっていた毛細血管を再び活性化させ、さらには新たな毛細血管を作ることで、酸素と栄養の供給能力を高めていきます。この適応能力こそが、有酸素運動を継続することによって体力を維持し、持久力を向上させる最大のポイントです。

また、年齢を重ねるにつれて、瞬発的な力を発揮する速筋の割合が減少し、持久力に関与する遅筋の働きが優位になると考えられています。そのため、高齢者がマラソン大会に参加したり、テニスの試合で強いスイングは難しくても長時間のラリーを楽しむことができるのは、持久的な能力が安定しているからだといえます。

有酸素能力を高めることで、体力を維持し、体脂肪を効率的にエネルギーとして活用できるようになり、さらに血管の衰えを防ぐことにもつながります。これにより、動脈硬化や心疾患のリスクを低減し、健康的な身体を維持することが可能になります。したがって、心肺持久力トレーニングは単に運動のパフォーマンスを向上させるだけでなく、健康寿命を延ばし、日常生活の質を高めるためにも、重要な運動の一つとして積極的に取り入れるべきでしょう。

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⒊ストレッチ(柔軟性向上)

柔軟性を高める運動といえばストレッチが最も代表的であり、これは筋肉を伸ばすことで関節の可動域を広げ、身体の動きをスムーズにするために重要な役割を果たします。ストレッチの主な効果には、柔軟性の向上はもちろん、関節の動きを良くすることによるケガの予防、血流の促進による疲労回復、さらには肩こりの改善やリラックス効果などがあり、健康維持や運動パフォーマンスの向上に欠かせない要素となっています。

私たちの身体の骨格を動かす筋肉は、それぞれ関節をまたいで骨についており、例えば膝が曲がりにくい場合は膝を伸ばすための筋肉の柔軟性が低下している可能性があり、逆に膝が伸びにくい場合は膝を曲げるための筋肉の柔軟性が低下していることが考えられます。このように、関節の可動域が狭くなる原因の多くは、筋肉の柔軟性の低下によるものです。スポーツ選手がストレッチに多くの時間を割いているのも、筋肉の柔軟性が競技パフォーマンスに直結するためであり、練習や試合の前には動きやすい身体を作るための準備として、練習後や試合後には疲労回復と翌日に備える目的でストレッチを取り入れています。

しかし、ストレッチは決してトップアスリートだけが必要とするものではなく、趣味でゴルフやランニングを楽しむ人や、普段あまり運動をしない人にとっても、運動のパフォーマンス向上や健康維持に役立ちます。特に、筋力トレーニングが好きな人の中にはストレッチを軽視してしまうケースもありますが、筋肉の柔軟性が低下していると関節の動きが制限され、トレーニング効果を十分に得られないことがあります。また、趣味でスポーツを楽しんだ後に、ご飯やお酒を楽しみたいからとストレッチを省略する人もいますが、運動後のストレッチは筋肉の緊張をほぐし、回復を早めるために欠かせないものです。

さらに、ストレッチは運動が苦手な人や運動不足を感じている人にとっても有効な手段です。柔軟性が低下すると身体の動きが悪くなり、運動すること自体が億劫になりますが、ストレッチを取り入れることで関節の可動域が広がり、動きやすい身体を作ることができます。特に、日常生活で使わない関節の可動域を意識的に動かすことは、それだけで十分なトレーニング要素となり、筋肉を伸ばす過程で血液循環が良くなり、凝りの改善にもつながります。また、柔軟性の低下が原因で姿勢が悪くなっている場合、ストレッチを続けることで正しい姿勢を取り戻す効果も期待できます。

ストレッチは特別な器具が必要なく、自宅で簡単にできるため、手軽に取り入れることができる運動の一つです。毎日少しの時間を使ってストレッチを習慣化することで、関節の動きがスムーズになり、身体の不調を予防・改善できるだけでなく、リラックス効果も得られるため、心身の健康を維持するためにも非常に有効なトレーニングと言えます。

まとめ

忙しい日々を過ごしていると、なかなか運動の時間を確保するのが難しいと感じる方も多いかもしれません。しかし、私たち人間は本来、身体を動かすことが自然なことであり、その機能を維持することは健康的な生活を送る上で欠かせない要素の一つです。

今回、筋力トレーニング・有酸素運動・ストレッチの3つに分けて紹介しましたが、すべてを取り入れる必要はなく、自分に合ったものを一つでも継続してみてください。

TRANSCENDでは、一人ひとりの状況に合わせて適したメニューを組んでいます。

通う頻度についても月2回、月4回、月8回の3つのプランから選択できるので、お気軽にご相談ください。

豊橋市のパーソナルジム「TRANSCEND」