運動能力を上げるホルモンとは?脳内物質を上手にコントロールしよう!

怒り、イライラ、不安といった感情に、知らず知らずのうちに振り回されていることはありませんか?
「最近、些細なことで腹が立ってしまう」
「つい感情的になってしまい、あとで後悔することが増えた」
そんな自覚がある人は少なくないでしょう。
実はこうした感情の背景には、脳内で分泌されるホルモンや神経伝達物質が大きく関係しています。
この記事では、「アドレナリン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」「セロトニン」といった脳内物質が、私たちの感情とどのように関係しているのか、そしてそれらをどのように理解し、コントロールしていくかについて詳しく解説していきます。
是非最後までご覧ください。

筋肉に働きかけるアドレナリン
私たち人間が怒りを感じるとき、その感情は単なる心理的な変化にとどまらず、身体にもさまざまな生理的変化をもたらします。特に「怒り」を他者に向けて攻撃的な行動を起こすとき、身体は瞬時に“戦闘モード”へと切り替わります。このとき重要な働きをしているのが「アドレナリン」と「ノルアドレナリン」と呼ばれるストレスホルモンです。これらはカテコールアミンと総称され、副腎の内側にある「副腎髄質」から分泌されるホルモンです。
怒り、恐怖、緊張といった強い感情が引き金となり、交感神経が活性化されると、アドレナリンが血中に放出されます。このホルモンの分泌によって、まず心拍数が増加し、血圧も上昇します。これは、身体の各部、特に筋肉への血流量を増やすことで、即座に動けるように準備を整えるためです。さらに、肝臓ではグリコーゲンが分解されて血糖値が上昇し、筋肉がより多くのエネルギーを得られるようになります。これにより、筋肉の収縮力、瞬発力、持久力が一時的に高まり、闘争あるいは逃走といった行動を取るための身体的準備が整えられるのです。
アドレナリンの特徴のひとつは、脳にはほとんど作用しないという点です。血液脳関門というフィルターのような仕組みによって、アドレナリンは脳内には直接届きません。そのため、アドレナリンは主に筋肉、心臓、血管などの末梢組織に対して働きかけ、身体全体を“緊急対応モード”に導きます。
アドレナリンは一般的に「闘争・逃走反応」を引き起こすホルモンとして知られています。この言葉は、私たちの祖先が自然界の脅威、たとえば猛獣などに遭遇した際、命を守るために「闘う」か「逃げる」かという即時的な判断を迫られていたという進化的背景に基づいています。その判断と行動を助けるためにアドレナリンが分泌され、身体を急激に覚醒状態に引き上げ、瞬発的なパワーを発揮させるのです。
ただし、このアドレナリンの作用は非常に強力な一方で、持続性はあまり高くありません。つまり、短時間で最大限の力を引き出すためには非常に有効ですが、長時間の活動には向いていないという性質があります。そのため、闘いに向かうための「闘争ホルモン」としても、あるいは逃げるための「逃走ホルモン」としても、どちらの場面にも対応できる、まさに“危機対応のための緊急ホルモン”と言えるでしょう。もし自分が相手よりも弱く、勝てないと本能的に判断した場合には、筋力を高めた状態で全力で逃げる、という選択がなされるのです。
現代社会では猛獣に襲われることはほとんどなくなりましたが、ストレスの多い社会環境の中で、上司との対立や対人トラブルなども、身体にとっては「闘争・逃走」を求める状況として脳が認識してしまうことがあります。その結果、不要な場面でもアドレナリンが分泌され、身体に過剰な負荷がかかることもあります。
脳に働きかけるノルアドレナリン
私たち人間の感情や行動、そしてストレスへの反応に深く関わる神経伝達物質のひとつに、「ノルアドレナリン」があります。この物質は、脳内および末梢神経系で重要な役割を果たしており、自律神経系のうち「交感神経」を刺激することで、私たちの心と身体を“戦闘態勢”へと導きます。
ノルアドレナリンは、脳内では「青斑核」という部位から分泌され、外部からの刺激、特に危険やストレスに対して迅速に反応するためのシステムを構成しています。この物質は、興奮・覚醒状態を高める作用を持ち、注意力、集中力、判断力を一時的に強化します。たとえば、突然のトラブルや緊張を伴う場面で、私たちの思考や行動が瞬時に切り替わるのは、まさにノルアドレナリンの働きによるものです。
ノルアドレナリンの主な生理的作用としては、心拍数、血圧、血糖値を上昇させる、筋肉への血流や酸素供給を促進する、さらには痛覚を一時的に鈍らせるといった効果があげられます。これは、身体を緊急事態に適応させるための一連の反応であり、「今この瞬間に動ける状態」を作るために全身の機能を最大限に引き上げるのです。
また、ノルアドレナリンはアドレナリンとは異なり、脳内でも強く作用するという点が大きな特徴です。アドレナリンは脳の血液脳関門を通過しにくいため、主に身体の筋肉や血管などに作用しますが、ノルアドレナリンは中枢神経系に直接影響を与え、私たちの「感情」、「意欲」、「不安」といった精神活動に大きな影響を与えるのです。
しかし、このノルアドレナリンの分泌が過剰になると、心や身体に悪影響を及ぼすことがあります。
- 怒りっぽくなる
- 感情のコントロールが難しくなる
- イライラしやすくなる
- 不安感が強くなる
- パニック発作を起こしやすくなる
- 慢性的な不眠に陥る
これらの症状は、ノルアドレナリンが脳内で過剰に働きすぎることによって、神経が過敏な状態になり、ストレスへの過剰反応を引き起こす結果と考えられています。特に現代社会では、慢性的な仕事のプレッシャー、人間関係のトラブル、過密な生活環境などによって、長期間にわたってストレスを受け続ける人が多く、ノルアドレナリンの過剰分泌が問題となるケースが増えています。
さらに厄介なのは、このノルアドレナリンによる反応が悪循環を引き起こすという点です。強いストレスによってノルアドレナリンが分泌され、感情が不安定になる。→その結果イライラしやすくなり、さらに新たなストレスを生む。→それによって再びノルアドレナリンが過剰分泌される。というサイクルに陥ることで、心身の健康を徐々に蝕んでいくのです。
一方で、ノルアドレナリンの分泌が不足してしまうと、やる気の低下、集中力の欠如、倦怠感、さらには軽度のうつ状態に似た症状が見られることもあります。つまり、ノルアドレナリンの分泌量は多すぎても少なすぎても問題であり、そのバランスが心身の健康維持にとって極めて重要なのです。
人間はノルアドレナリンが適切な量で分泌されているとき、集中力が高まり、気力がみなぎり、多少のストレスや刺激にも柔軟に対応できるしなやかさを持つことができます。自分が「よく集中できている」「体調が良く、物事に前向きに取り組めている」と感じられるときこそ、ノルアドレナリンの分泌がちょうど良い状態であると言えるでしょう。
こうしたホルモンの存在は、人類の進化の歴史と切り離せません。かつて人類は獲物を追い、獣と闘い、あるいは敵から逃れるという日常を生き抜く中で、ノルアドレナリンのようなホルモンを活用して生き延びてきました。獲物を狩るには集中力と瞬発力が必要であり、敵から逃げるには迅速な判断力と身体の覚醒が欠かせません。また、権力闘争や領地の奪い合いといった場面では、怒りをうまくコントロールし、相手を圧倒することで優位に立てた者が生き残り、のし上がっていったと考えられます。
「王の怒り」を買うことが命取りになるというような時代背景もあったでしょう。怒りや恐れといった感情は、人々を従わせるための「社会的な武器」にもなりえたのです。その根底には、ノルアドレナリンというホルモンが、人間の行動と感情の原動力として機能していたという事実があります。
現代では、私たちが日常的に「怒り」や「不安」を感じる場面は、物理的な脅威ではなく心理的・社会的なプレッシャーであることが多いですが、それでも脳と身体の反応メカニズム自体は、原始時代からほとんど変わっていません。
理性を司る脳の領域「前頭前野」が感情にブレーキをかける
怒りという感情は、私たちが普段生活する中で避けがたいものです。ときには、後から「なぜあんなに怒ってしまったのだろう」と自分を責めたり、「本当は怒りたくなかったのに」と感じたりすることもあるでしょう。こうした“望まない怒り”が起きてしまう背景には、私たちの脳の働きが深く関わっています。怒りの感情は、脳の中にある「大脳辺縁系」という部分で生じます。大脳辺縁系は、食欲や性欲などの本能や、喜び、悲しみ、恐怖、怒りといった感情を司る領域です。私たち人間は、原始時代から自然の脅威や敵と戦う必要があり、「怒り」は自分を守るための防衛反応として重要な役割を果たしてきました。つまり、怒りは私たちの中に備わっている、生き延びるために必要不可欠な感情でもあるのです。
しかし、現代社会では、かつてのように「怒り」に任せて行動してしまうと、人間関係の悪化やトラブルの原因となることが多くなりました。そこで重要になるのが、怒りを上手に“コントロール”する力です。この感情のブレーキ役として機能するのが「前頭前野」と呼ばれる脳の前方に位置する領域です。前頭前野は、人間の脳の中でも特に発達した部分であり、思考や判断、感情の抑制、社会的行動の制御、記憶の操作など、いわゆる「理性」を担う中枢として働いています。この部分がしっかりと機能することで、私たちは怒りや衝動をそのまま行動に移すのではなく、一度立ち止まって「本当に怒るべきかどうか」「今怒ったらどうなるか」といった冷静な判断を下すことができます。
ところが、怒りの感情は突発的に、瞬時に湧き上がるのに対して、それを抑える前頭前野の働きが間に合うまでには、わずかに時間がかかるという特徴があります。具体的には、怒りの発生から理性によるブレーキがかかるまでには、一般的におよそ3〜5秒のタイムラグがあるとされています。この短いようで長い数秒の間に、私たちはついカッとなって言葉を荒げたり、態度に出してしまったりするのです。つまり、怒りのピーク時には前頭前野の理性よりも大脳辺縁系の本能が先に前面に出てしまい、自分の意思に反して不本意な言動に至ってしまうことがあるわけです。
このメカニズムを理解したうえで、怒りを上手にコントロールするための具体的な方法として広く知られているのが、「6秒ルール」と呼ばれる対処法です。怒りの感情が湧いたその瞬間から、意識的に6秒間なにも反応せずに待つことで、前頭前野が働きはじめ、感情の高ぶりを沈めてくれるとされています。この6秒間には、舌打ちをしたり、怒りを表すような独り言をつぶやいたりするのも避けたほうがよいと言われています。むしろ、深くゆっくりと呼吸をしたり、心の中で1から6まで数えたりすることで、冷静さを取り戻すきっかけになります。こうした対応を習慣化することで、前頭前野の働きは徐々に強化され、感情に流されにくくなり、より良好なコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
怒りを感じること自体は、人間として自然な反応であり、否定すべきものではありません。大切なのは、その怒りをどう扱うかです。私たちは誰しも怒りを感じる瞬間がありますが、そのときにすぐに反応せず、自分の感情を一度受け止め、数秒だけでも待つことができれば、無用な争いや後悔を減らすことができます。日常生活の中で前頭前野を意識的に使う習慣を身につけ、感情との付き合い方を見直すことが、より豊かな人間関係を築くための第一歩になるのではないでしょうか。
前頭前野に影響を与える加齢と生活習慣
前頭前野の機能は、加齢とともに徐々に低下していくとされています。すべての人に当てはまるわけではありませんが、脳の加齢に関する研究では、60代の段階では前頭前野の機能や体積に大きな変化は見られないことが多い一方、70代に入ると少しずつその萎縮が始まる傾向が見られると報告されています。こうした変化は、外見からはわかりにくいため見過ごされがちですが、日常の行動や態度に少しずつ現れてくることがあります。
たとえば、自分の親が以前よりも頑固になったように感じたり、こちらが気を配って発言したつもりの言葉に対して、必要以上に強い反応を示したり、怒りっぽくなったりする場合、もしかするとそれは加齢に伴う前頭前野の機能低下が影響しているのかもしれません。年齢を重ねると、経験や知識が豊かになる一方で、脳の柔軟性や感情のコントロール力が徐々に衰えてくることがあり、それによって他人の意見を受け入れにくくなったり、小さなことで感情的になったりするケースが増えるのです。こうした変化は、本人に自覚がない場合も多く、周囲の人が「最近変わったな」と感じるようになってはじめて気づくことも少なくありません。
さらに、前頭前野の働きは加齢だけでなく、日々の生活習慣にも大きく左右されます。特に、睡眠不足や過度な飲酒は前頭前野の働きを一時的に低下させる要因となります。徹夜明けや睡眠が浅くて疲れが取れていないときに、いつもなら気にならないことにイライラしたり、ちょっとしたことで感情的に反応してしまったりする経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。これは、前頭前野の働きが十分に発揮されていない状態であり、理性的な判断力や衝動の抑制力が低下している証拠でもあります。アルコールも同様で、飲酒によって脳の働きが鈍くなると、冷静な判断ができなくなり、思ってもいなかったような言動に至ることがあります。
このような背景を理解しておくと、感情のトラブルや衝突が起きたときに「なぜこんなことを言ったのか」「なぜ怒ってしまったのか」と必要以上に自分や相手を責めることなく、「脳の状態が万全ではなかったのかもしれない」と一歩引いて受け止める余裕が生まれるかもしれません。特に家族間の関係では、年齢差や体調の違いによって感じ方や反応の仕方が大きく異なることもあります。相手の年齢やコンディションに思いを馳せることは、無用な衝突を避け、穏やかな関係を保つうえでも大切な視点と言えるでしょう。
正義感が攻撃衝動を正当化してしまう
怒りという感情は、本来であれば自分の身を守るためや、不当な扱いに対して自己の正当性を主張するために必要なものです。しかし、それが過剰にエスカレートし、他人を傷つけたり、支配したりするような行動へとつながっていくケースもあります。ここで重要なのは、怒りの感情そのものではなく、「怒りを表現することによって快感を得てしまう」という脳の仕組みが関係しているという点です。つまり、怒るという行為が、本人にとって“気持ちのよい行動”として脳に記憶されてしまう場合があるのです。
この背景には、「ドーパミン」と呼ばれる神経伝達物質が深く関与しています。ドーパミンは、脳が快楽や報酬を感じるときに分泌される化学物質であり、「幸福ホルモン」とも呼ばれることがあります。私たちが美味しいものを食べたときや、大きな目標を達成したとき、好きな音楽を聴いたときなどに分泌され、やる気、快感、満足感をもたらしてくれるポジティブな役割を持っています。しかし同時に、このドーパミンはアルコール、ギャンブル、ドラッグといった依存症とも密接に関係しており、快楽を求める行動が止められなくなる原因にもなるのです。
怒りにおいても同じことが言えます。自分が正しいことをしているという強い正義感や、相手に非があるという確信を持って怒りをぶつけたとき、それに対して相手が萎縮したり、言い返してこなかったり、謝罪してきたりすると、「自分が相手を支配した」「自分が正義を貫いた」という感覚が生まれ、それが快感として脳に刻まれてしまうのです。この快感がドーパミンによって強化されると、怒りの表現自体が“報酬”と見なされるようになり、怒りを繰り返すことに依存してしまうことすらあります。
こうした心理状態に陥ると、「怒り」は単なる感情ではなく、“快楽を得るための手段”に変化します。その結果、本人が無自覚のまま、他人の言動や行動を監視し、粗探しをしてしまうようになるのです。たとえば、「いつも的確に指導をしている○○さん」と言われるような人でも、実はその言動の背後に「自分の権威を強調したい」「自分の優位性を保ちたい」という潜在的な欲求が隠れている場合があります。そしてその行動自体が快楽の源になっているため、本人は「これは指導であって正しい行い」と本気で信じており、自分が加害者的な立場になっていることにすら気づけないのです。
このような怒りと快楽の結びつきは、非常に厄介で、周囲との人間関係を悪化させるだけでなく、本人の精神的な健康にも悪影響を及ぼします。怒りをぶつけるたびに快感を得てしまうという状態は、まさに“攻撃行動への中毒”とも言える状態であり、理性や客観性を失いやすくなります。また、そうした人の周囲にいる人々も常に緊張を強いられ、職場や家庭などの環境が息苦しいものになっていきます。
怒りに快感を感じるという脳の性質は、ある意味で自然な反応でもありますが、それを自覚し、適切に抑制することは、成熟した大人として非常に重要なことです。「怒ることで自分が気持ちよくなっていないか」「相手を支配することが目的になっていないか」と立ち止まって考えること、そして必要に応じて冷静さを取り戻す時間を設けたり、周囲のフィードバックを素直に受け入れる姿勢を持つことが、怒りとの健全な付き合い方につながるでしょう。
セロトニンを味方につけて感情をコントロール
もし最近、「以前よりも怒りっぽくなった気がする」「ちょっとしたことでイライラしてしまう」と自覚があるようであれば、それは脳内で感情を安定させる働きをしている神経伝達物質のバランスが崩れているサインかもしれません。そんなときに味方につけたいのが「セロトニン」という脳内物質です。セロトニンは、幸福感や精神の安定に関与することから「幸福ホルモン」とも呼ばれ、多くの人に知られるようになってきました。
セロトニンは、脳内でノルアドレナリンやドーパミンといった他の神経伝達物質を調整する“指揮者”のような役割を果たしており、この物質が不足すると、脳の中で感情のバランスが崩れやすくなり、イライラ、不安、攻撃性の高まりといった心理的な不調が起こりやすくなります。つまり、セロトニンの分泌が十分に保たれていれば、怒りやストレスともうまく付き合うことができるようになり、気持ちの安定を図ることができるのです。
では、どうすればこのセロトニンを増やすことができるのでしょうか。その答えは、決して特別なことではなく、基本的な健康習慣の中にあります。たとえば、規則正しい生活を送ることは、セロトニン分泌の土台となる最も基本的な方法です。朝はしっかりと太陽の光を浴びて体内時計をリセットし、夜はできるだけ早めに就寝して十分な睡眠を確保する。このようなリズムの整った生活を心がけることで、セロトニンは自然と分泌されやすくなります。
また、適度な運動も非常に効果的です。適度な運動とは、激しいスポーツや競争的なものではなく、自分のペースでリズムよく身体を動かすことです。特にウォーキングは、一定のリズムで足を動かしながら景色を眺め、呼吸を整えることができるため、セロトニンの分泌を促進する代表的な運動とされています。無理をせず、自分のリズムで歩くことがリラックス効果にもつながり、ストレスの軽減に大きな効果をもたらします。
さらに、深い腹式呼吸もセロトニンを増やす助けになります。ゆっくりと息を吸い込み、吐き出すことを繰り返すことで自律神経が整い、心と身体のバランスが安定してきます。この呼吸と合わせて、ストレッチなどを取り入れるとより効果的です。筋肉をゆっくり伸ばし、「イタ気持ちいい」と感じる程度の刺激を与えることで、緊張していた身体が緩み、リラックス状態へと導かれます。これは、精神的な緊張の緩和にもつながるため、怒りや不安が高まったときのセルフケアとしても非常に有効です。
このように、セロトニンは感情を整えるうえで非常に大切な存在です。そしてその分泌を促すための方法は、特別な器具やサプリメントに頼る必要はなく、生活の中で意識すれば誰でも実践できるものばかりです。怒りやイライラに振り回されてしまう前に、まずは心と身体の状態を整える工夫をすること。セロトニンを味方につけることは、感情のコントロール力を高め、穏やかで安定した日常をおくるための第一歩になるのです。

まとめ
怒りの感情は、決して悪者ではありません。
人間が生きていくうえで必要不可欠な感情であり、適切に活用すれば自己防衛や成長の糧にもなります。
しかし、それに支配されてしまうと、人間関係を壊したり、自分自身を傷つけてしまうことにもつながりかねません。
だからこそ、脳と身体のメカニズムを正しく理解し、「今、どのホルモンが働いているのか」「自分の感情の背景にはどんな変化があるのか」を意識することが大切です。
TRANSCENDでは、一人ひとりの状況に合わせて適したメニューを組んでいます。
通う頻度についても月2回、月4回、月8回の3つのプランから選択できるので、お気軽にご相談ください。









